生前葬と言えばどんなイメージをお持ちですか?生きている間にお葬式をすれば、実際に死んだ時にお通夜やお葬式をあげなくて済むので、遺族にとって都合のいいものだと合理的に考えますか?今回は生前葬についてお伝えします。
生前葬は1900年代初めから開催されていた?
生前葬の歴史は古く、1900年前半にはもう開催されていたようです。落語家、軍人、狂言師などの人々が、自分の華々しい現役のくぎりの1つとして開催されていたようです。現代ではこのような方々が生前葬をすでにあげられています。
- 養老孟司さん
- ビートたけしさん
- 桑田佳祐さん
- テリー伊藤さん
- SMAP
- 大橋巨泉さん
など
豪華な顔ぶれですね。大勢の人々を招待し、自分の今までの軌跡、これからの旅立ちを祝う儀式として開催されているようです。
生前葬はまるでパーティー?
自分が喪主となって開催できるのが魅力の1つです。まるでパーティーのような生前葬の内容はこちらです。
- 乾杯やスピーチ(出席者や主催者)
- 会食
- 映像や今までの軌跡をたどり称える
- 思い出の曲や生演奏で会場全体が楽しむ
- カラオケ、ビンゴゲームなど
- メモリアルプレゼントの贈呈
- 出席者へのプレゼント
など
あれ、と思われた方ビンゴです。生前葬は結婚式の内容に似ていませんか?生前葬は本当のお葬式のような悲しみや威厳に包まれたものではなく、とても明るいパーティーであり、祝賀会なのですね。つまり生前葬は、これからの主催者(喪主)の人生のための励まし会や感謝の会と考えられそうです。
実は迷惑する遺族や親族のケース
P太さんは退職前から生前葬を開催したいと思っていました。やっと退職ができ、待ち望んでいた生前葬開催の希望を家族に伝えました。招待する人は親族だけだったので10名以内におさまりました。葬儀会社へ費用の見積もりをとったところ、飲食代込みでなんと、150万近くもしてしまったのでした。家族はP太さん直々のお願いなので、反対することは出来ませんでした。P太さんは、生前葬を開催した2年後に、ステーキを食べたある日の夜、突然心臓発作が起こりこの世を去ってしまったのでした。遺族は生前葬をしたのだから、そんなに慌てる必要はないと思っていました。ですが、実際は火葬、納骨、戒名までしなければならず、お墓もまだ建てていなかったので結局200万くらい費用がかかってしまいました。さらに相続では、夫の兄弟間と妻が大もめになるという悲惨な状況になってしまったのでした。予期せぬ火葬、納骨、相続があったので、遺族は疲れ果ててしまい、奥さんは過労で4日ほど入院をしなければならないほどでした。
- 生前葬を開催する場合は、エンディングノートも記録しておこう
退院してから、奥さんは女子会や趣味に没頭、友人知人に旦那の生前葬エピソードとともに、エンディングノートの必要性を啓蒙することも楽しみながら余生を充実させたのでした。
生前葬は関西なら普及する?
生前葬、一般家庭にはあまり普及されていないようです。費用がかかるので無駄だと考えてあきらめてしまうご家庭も多く、生前葬の費用を老後や葬儀の貯蓄へ回す方が経済的だと考えるからです。また、結婚式でもないのに、自分が主人公となり、忙しい親族を集め、わざわざ生前葬を開催することに抵抗のある方も多いようです。ですが、関西の方々は、パーティーピープルが多いこと、目立ちたがり屋の方が多いことなどから、生前葬はこれから関西で普及するかもしれません。カラオケも大好きですしね。
家族の説得とエンディングノートが必須な生前葬
いくら生前葬を開催したいからといって、家族に反対されながら強引に開催してしまうと、後々の関係性が悪くなります。また、家族に協力してもらい生前葬を無事開催出来たとしても、残された遺族のためにもエンディングノートは忘れずに記録しておくことをおすすめします。