1. 一般葬とは?
一般葬とは、故人と関わりのあった多くの方々が参列する葬儀スタイルです。家族や親族だけでなく、友人や知人に職場の関係者、地域の方々など、故人の人脈を反映した広範囲の方々を招待し、故人を見送ります。そのため、有名人はもとより、一般人でも一般葬は規模が大きくなりがちで、広い会場で行われるケースが大半です。
一般葬の特徴としては、通夜と葬儀・告別式を2日間に渡って行う点が挙げられます。通夜の後の通夜振る舞いや火葬の後の精進落としといった、会食が設けられることが多いのも、一般葬の特徴です。
しかし、近年は葬儀の規模が縮小する傾向にあります。これは、家族葬など少人数で行う葬儀が増えていることや、新型コロナウイルスの流行による影響も一因です。
コロナ禍では、感染予防のために参列者数を制限することが多くなりました。2023年5月には5類感染症へ移行して緊張が緩和されたものの、それでも一般葬の規模や参列者数が減少傾向にあるのが現状です。
2. 一般葬のメリット
一般葬のメリットは多岐にわたりますが、特に代表的なのは次の6点です。
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一般葬は、親族だけでなく、友人や職場の関係者など、故人との関わりがある幅広い層の人が参列します。故人に別れを告げたいと考える方の多くが葬儀に参加するため、葬儀後の自宅への弔問を減らし、遺族の精神的・肉体的・時間的な負担を軽減することが可能です。
さらに、伝統的な葬儀形式を採用する一般葬は、地域の風習や宗教的儀式を重視する親族や近隣住民からの納得や協力を得やすくなります。
参列者と故人とのさまざまな思い出に触れる機会があり、生前知らなかった故人の一面を知ることができるのも、一般葬ならではのメリットです。
また、多くの参列者からの香典を受け取れるため、葬儀費用の一部をカバーできるのも、メリットの1つに挙げられるでしょう。
このように、一般葬は多くの人に故人を見送ってもらえるだけでなく、遺族の負担軽減や、故人との思い出を共有する機会が得やすい利点があります。
3. 一般葬のデメリット
一般葬には多くのメリットがあるものの、下記のようなデメリットもあります。
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多くの方が参列する一般葬は決めるべきことが多く、準備も複雑で手間がかかるのはデメリットです。
供花や返礼品に料理などの手配、会場の広さや座席配置、火葬場への同行者の決定など、細かい点にまで配慮しなければなりません。また、一般葬は規模に比例して葬儀費用が高くなる傾向にあり、飲食にかかる料金などの負担も増えます。
さらに、喪主や遺族は参列者との直接的な交流が求められるため、心身ともに負担が大きくなりがちです。参列者が多いと一人ひとりに丁寧に応対するのが難しく、結果的に故人をゆっくりと偲ぶ時間が減ってしまうこともあります。
ただ、「忙しくて悲しむ時間がなかった」という方もいれば、「忙しく動いたことで気が紛れた」と考える方もいるため、一概にデメリットとは言えません。
これらのデメリットも理解した上で、一般葬を選択するかどうかを検討してください。
4. 一般葬の費用相場
一般葬の場合、かかる費用は葬儀規模や参列者の人数によって大きく変動します。そのため、葬儀社が公表するプランも30万~200万円台までと幅広く、一概にいくらとは言えません。ただ、全国的に見ると、「約110万~120万円」が平均と言えます。
特に費用への影響が大きいのが、参列者数に応じた飲食接待費や返礼品、葬儀式場の選び方などです。また、火葬場まで同行する参列者が多ければ、その分乗り物のチャーター代が上乗せされます。
一般葬を選ぶ際には参列者の見込み数や葬儀式場の種類などを考慮し、複数の葬儀社を比較検討することが重要です。
5. 【項目別】一般葬と家族葬の違い
家族葬は、故人の家族や親族など、故人と身近な方々だけで行う葬儀です。家族葬は故人と深い関わりのある少人数で行われるため、一般葬に比べて規模が小さくなります。
一般葬と家族葬の主な違いは、次の通りです。
●参列者の範囲 |
一般葬は故人と縁のあった幅広い範囲の人々を招待しますが、家族葬は主に家族や親族に限定されます。そのため、一般葬は参列者数が多く、家族葬は少人数です。 |
●訃報の出し方 |
一般葬では広く訃報を出し、多くの人に知らせます。一方、家族葬では訃報を出すかどうかが家族の判断に委ねられ、出しても葬儀への参列を遠慮してもらうケースが少なくありません。 |
●供物・香典の取り扱い |
一般葬では、基本的に供物や香典を受け取ります。家族葬で供物や香典を受け取る場合もありますが、辞退するケースが大半です。 |
●返礼品や飲食接待 |
一般葬では、ほぼすべての参列者への返礼品や飲食接待を行います。家族葬では省略される傾向にあります。 |
●葬儀の費用 |
家族葬は規模が小さいため、一般葬に比べ費用も少なめです。 |
●服装やマナー |
多くの方が参列する一般葬では、社会常識や地域の風習に合った装いやマナーが求められます。身内のみで執り行う家族葬の場合、参列者が許容していれば普段着でも問題ありません。 |
葬儀当日の流れは、どのようなプランを選ぶかによって異なります。葬儀の内容自体はさまざまで、一般葬と同様に通夜と告別式を行う場合もあれば、一日葬や直葬を選ぶ場合も珍しくありません。
宗教儀式を行うか省略するかは、故人や遺族の希望に合わせて柔軟に選択できます。
6. 一般葬の流れ
一般葬の流れは、以下の通りです。
(1)逝去と搬送 | 故人が亡くなり、医師から死亡診断書を受け取ったら、遺体は斎場や自宅などへ搬送されます。 |
(2)安置 | 遺体は葬儀まで安置されます。自宅で安置する場合はドライアイスなどでの温度管理が必要です。 |
(3)葬儀社との打ち合わせ | 葬儀社と話し合い、葬儀プランを決めて細かな手配を行います。 |
(3)納棺 | 通夜前に遺体を棺に納めます。立ち会いたい方を招待することも可能です。 |
(4)通夜 | 葬儀前日の夜に、参列者が故人とお別れする時間を持ちます。僧侶による読経や通夜振舞いが行われるケースが一般的です。 |
(5)葬儀・告別式 | 通夜の翌日に葬儀が行われ、僧侶の読経と参列者の焼香が行われます。告別式は、参列者が故人と最後にお別れする時間です。 |
(6)火葬 | 葬儀後、遺体は火葬場へ運ばれて荼毘に付されます。火葬後に遺族が骨を拾って骨壺に納めれば終了です。 |
上記の流れは一般的なもので、地域や宗教によって異なる場合があります。また、火葬のタイミングや納骨の方法も地域ごとに違いがあるため、詳細は葬儀社や地域の慣習に従って行うことが一般的です。
まとめ
一般葬は、さまざまな葬儀の形の中で最も伝統的な葬儀スタイルです。参列者を限定しないため、多くの方に故人を見送ってもらえるメリットが大きい反面、費用が高額になるデメリットは否めません。
火葬場併設の市営斎場である横浜葬儀メモリアルセンターは、一般葬プラン420,000円(税込)からで、別途オプション以外追加料金なしの明確な料金体系です。
各種割引・補助金を活用すれば、さらに葬儀費用を抑えらえる場合もあります。一般葬でも費用の心配なく安心して故人を送り出したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。