孤独死は、老後のお一人様が迎えうる可能性がある問題です。介護や病院で死ぬ場合、孤独死は避けられますが、そうでない場合は遺族にも負担がかかる可能性もあります。孤独死を迎えるにしても、被害を最小限におさえるための生前対策などをお伝えします。
孤独死はすぐに発見されることは少ない?
孤独死を迎える人の中には、死去してからかなり期間が経過してから発見されることも多いようです。夏場ですと2~3日、冬場でも5~7日ほどで体液が外へ流れ出て、異臭を放ち、ウジ虫やゴキブリが腐敗した死体を分解していきます。その臭いは想像を絶するものだと言われています。老犬を看取ったことがあります。死亡後まだ2時間ほどしか経過していないのに、遺体を別の部屋へ移動させるため体を傾けてしまった時に、突然透明の異臭のする体液や尿が出てきたのを思いだしました。お葬式は次の日に動物霊園で予約しました。一日寝かせておいただけで、その部屋の異臭はすごかったです。人間の場合は尚更なのだと思われます。孤独死の場合、近所からの異臭の通報などでやっと発見される事が多いそうです。生きている間に孤独死を予防する手段としては、孤独にならないための対策もかねて、訪問型のサービスを利用するのがいいかも知れません。宅配サービス、見守りサービス、新聞をとるなどですね。特に賃貸住宅で発見された孤独死で遺体の腐敗が進んでいた場合は連帯保証人に思いがけぬ費用の負担がかかることもあるようです。
賃貸住宅での孤独死は遺族に負担がかかることも?
遺体が長期間放置された場合の異臭は、いくら洗剤で拭き掃除をしてもとれません。遺体周辺はもちろん家じゅうの壁、床、柱、換気扇、天井、家具などあらゆるところに強烈な臭いが充満しており、細菌による感染の危険性もあります。賃貸住宅の場合、掃除をしても異臭が取れない場合などは、連帯保証人に原状回復費用だけでなく、損害賠償金が請求されることもあるようです。どんなに掃除をしても異臭が取れない場合、その部屋の家賃低下を招くなど、大家さんに対して損失が発生してしまうからです。
遺族が掃除をしなければいけない場合
孤独死されたものの発見が幸い早ければ、ご遺族がお部屋の掃除をすることもできます。ですが、死後時間が経過してしまったために腐敗が進んでいる場合は遺族が掃除してしまうと逆効果です。死臭のついた靴でエレベーターに乗車した時に臭いがうつってしまい、クレームになりその部分の原状回復費用も発生する事があるからです。さらに、掃除業者にお願いするにしても、特殊掃除業者でなければ、死臭の臭いは完全にはとれないそうです。特殊掃除業者の中には、ホームページに最低金額を表示し、実際は高額請求される場合もありますので、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
孤独死を予防することが大切
孤独死の発見が遅れてしまうと、遺族に負担がかかってしまいます。身寄りがない場合でも、死体が腐敗し害虫の餌食になるのは、人間の尊厳にかかわりますので出来るだけ避けたいものです。一人暮らしの高齢者が孤独死をしても、すぐに駆けつけられるような見守り制度を義務化するなど対策が求められそうです。