公営斎場で葬儀を終えた後、法事が行われます。初めての葬式の場合、法事の意味、準備しておくべき内容など疑問だらけではないでしょうか。法事の準備ポイントについてお伝えします。
法事って?何のためにするもの?
法事は葬式と同じではないのは分かっているものの、違いがいまいちわからないことありませんか?
・葬式:故人がこの世にいる時の供養
・法事:故人がこの世にいない(火葬後)の供養
遺骨となった故人を供養するための儀式が法事です。法事は四十九日だけだと思われがちですが、実は種類がたくさんありその数16、初年度の初七日から満32年目の三十三回忌まであります。年数の数え方では、満と数え年があります。例えば、満1歳の場合、満年齢と数え年ではこのような違いがあります。
・満: 生まれた地点では0歳、それから12か月後の1日前に1歳になる考え方。
・数え年:生まれた初日から1歳であるという考え方。12か月後には2歳。
故人の死後100日目までは7日ごとに追悼法要が営まれます。そのうち、初七日と四十九日は、遺族だけでなく親戚、知人、友人や僧侶も参加することになります。
100日目を超えますと、満1年目から満32年目までの期間において年忌法要が8回行われます。このうち、遺族だけでなく親戚、知人、友人や僧侶も参加する食事会も手配された法事となるのは、最初の一周忌(満1年目)と7回忌(満6年目)です。
年忌法要のうち、三回忌からは、数え年の考え方でカウントします。ちなみに一周忌は満でカウントしています。
・一周忌(満1年目)→三回忌(満2年目)→七回忌(満6年目)・・・33回忌(満32年目)
一周忌が行われるのは、故人の死去の日から1年経過した日です。この場合、故人の死亡日を1とカウントせずゼロとカウントしています。満の考え方ですね。
三回忌からは、満ではなく数え年の考え方です。故人の死去日を1とカウントしていけば、2年目は3です。ですから3回忌というわけです。
法事は遺族との交流の意味合いが強い?法要とは?
葬式も法事も一番の開催理由は、旅立たれた故人が無事天国へ行けるように祈ることです。ですが、現実的には故人はこの世にはいないので(見えないので)、遺族との交流という目的が重要視されています。
追悼法要、年忌法要ともに法事でなく、なぜ法要と呼ばれているのでしょうか?法要は法事の一部であり、儀式的要素部分となります。儀式的部分である法要+法要のあとの食事会=法事となります。
準備するものは?気を付けたいことは?
葬式がひと段落し、ほっとしている暇はありません。これが第一に気を付けるべきことです。遺族のために開催される法事なのに、遺族が疲れてしまっては本末転倒だといいたいところですが、第一の目的は故人が無事天国へいくことですから。
法事の日時の設定については、追悼法要、年忌法要の日と同じである必要はありません。これらの日の直前の土日などに設定し、仕事を休んで来てもらわなくてもいいようにしておきます。おさえておきたいのが、僧侶の予約です。法事では最初に僧侶による読経がありますから。土日、お盆、お彼岸時は公営斎場での葬儀、葬儀後の法事により僧侶の予定がいっぱいのことも。
同時に、お布施もあらかじめ準備をしておきましょう。一般的に4~6万くらいです。僧侶に相場を聞くこともいいのですが、地域の相場で決めることもできます。
法事ですから、法要のあとの食事会の手配も必要です。送迎バスの有無、予算、メニューなどあらかじめ調べておきましょう。家族葬などの場合、予約を入れずとも入れる人数であれば、近くの店ということも。
その場合、喪服で入店することに抵抗のある店もあります。やはり、少人数でもお店に了承してもらってからのほうがいいでしょう。そうでない場合は、座敷席にするなどすればいいのではないでしょうか。
最近は法事をしない家もある?
法事は遺族たちの絆を深めるための行事でもあります。遺族が高年齢化していくことや経済的余裕のなさなどから、親族同士でもなかなか集まれない現状もあるようです。その結果、法事をしないこともあります。
檀家の場合、寺院から案内も来るようですが、そうでない場合忘れがちになります。喪主は公営斎場での葬式のあとも法事を設定していく必要があるので、葬儀後も忙しいといえそうです。