生前葬にお呼ばれしたら、真っ先に思いつく問題は服装ではないでしょうか。ご本人は生きているのに、喪服もどうかなと思ってしまいますよね。そこで今回は生前葬における服装について、生前葬アレコレにもふれながらお伝えします。
聞いてみるのが一番?
チョウコさんに一通の招待状が届きました。会社でお世話になっている役員のトンベイさんからの生前葬の案内状でした。「何を着ていったらいいのかしら?」同僚のウフコさんはお呼ばれしていませんでしたので、大変不機嫌になっていました。ですが、仲良しのチョウコさんの質問にいたって冷静に答えます。「何でもいいんじゃないの?本人は生きているんだしさ。」(確かにそうだわ。トンベイさんは今日も元気炸裂でみんなと和気あいあいとされていたし、喪服で出席するのも失礼かも。)チョウコさんの脳裏には服装についてのQ&Aが渦巻いたのでした。生前葬の服装は喪服でなくてもいいそうです。一番いいのは、主催者に聞いてみることでしょう。出席の返事をするときにでもいいかと思われます。主催者に聞きづらい場合は、出席者の中で相談して決めるのもいいのではないでしょうか?チョウコさんは生前葬に呼ばれたことがなかったので、生前葬の意味がわかりませんでした。生前葬とは一体なんのためにとりおこなわれるのでしょう?
生前葬の意味は?
生前葬は故人視点のものです。お葬式となれば故人はもうこの世にはいません。生前葬は、故人が遺族やお世話になった方々に、生きている間に自分で感謝の気持ちを伝える場だと言えます。死は誰にでも訪れるものです。生前葬は死を意識しますが、お葬式ほど死を意識する必要はないでしょう。
開催者に感謝の気持ちを伝える事がコツ
供養の意味は、故人だけでなく遺族、お世話になった方々すべての幸福を祈る儀式です。そう思いますと、生前葬も開催者だけでなく、呼ばれた人々すべての幸福のための会だと考えることが出来ます。一般的に、開催者が出席者に感謝の気持ちを伝える場だととらえがちですが、出席者も開催者に日ごろ伝えきれなかった感謝の気持ちなどを伝える機会でもあります。人数が少ない場合なら、直接お話することも出来ます。多い場合ですとカードや手紙などでもいいので伝えておきましょう。死を意識した寂しい場所というのではなく、これから残された人生を謳歌しようぜという華やかさもあってもいいのではないでしょうか。
生前葬で行われることは?
結局、ウフコさんはトンベイさんが招待状を居間に置き忘れていたので、届かなかったことが分かりました。ウフコさんが招待状を受け取ったのは一週間前。トンベイさんから手渡しでもらったそうです。生前葬の当日は盛大に行われました。招待客への感謝の言葉、招待客からのお礼の言葉のあとは乾杯でした。会食中にはトンベイサンが編集した“トンベイ入社50年の軌跡”が放映され、大笑いで大盛況でした。さらに、トンベイさんは得意のオカリナを披露したのでした。生前葬に出席した人たちは、最初の不安で寂しい気持ちが暖かい和やかな気持ちに変化し、会場をあとにしたのでした。
生前葬の服装はTPOが大切
病気で余命数か月の人が生前葬をする場合と、還暦を迎えたから生前葬を開催する場合とでは、場の雰囲気は違うはずです。大切なのは主催者の状況ですね。お祭り的なものなのか、そうでないのかを見極め、衣裳も喪服により近いものか、そうでないかの判断するのがポイントです。